2018-01-01から1年間の記事一覧

『東洋に自伝なし』から『東洋に自伝あり』へ

『東洋に自伝なし』から『東洋に自伝あり』へ。 有名ならざる人が晩年に自らのライフヒストリーや生きざまを書いて遺すということが、ヨーロッパではひとつの文化として定着していますね。 自伝を書く、或いはライフヒストリアンの聞き書きによって自伝を完…

ライフヒストリー良知の目的

ライフヒストリー良知の目的 人の長期記憶には、意味記憶とエピソード記憶(自伝的記憶)、手続きの記憶、そしてプライミング(無意識の記憶)があります。 意味記憶はエピソード記憶と共に働きます。高校のとき県大会で優勝した瞬間、雪が降っていた大学の入学…

理想の100歳

理想の100歳 初めて100歳になる男性と接し、いろんな対話をしました。 1918年(大正7年)生まれ。大阪帝国大学を卒業した科学者。会社勤めを経て東京の大学で教鞭を取った。 ... 20歳代外地で戦いたいへんな時代を乗り越えて来た。お酒はたくさん飲んだが煙草…

ライフヒストリー良知の意義

『ライフヒストリー良知』の意義 ライフヒストリー良知の事業を展開するうえで常々考えることはこの仕事の意義についてです。過去を懐かしく思い、語り、文字にして残すことの意義です。 過去の世界を旅して、そのつらい経験をポジティブに変化させ、幸せな…

文明の衝突

今国会では外国人人材の受け入れに対する議論をガンガンやっていますね。 人は祖先、宗教、言語、歴史、価値観、習慣、制度によって定義付けをし、文化的なグループを作る。これが部族、民族、宗教に基づく共同社会、国家となり、そしてもっとも広いレベルで…

入管法改正ー外国人人材の受入れ

日本政府は、先日入管法を改正し、海外からの人材の受け切れを拡大すると表明しました。これは、事実上の移民政策ですね。例えば介護業界ですが、団塊の世代が全て後期高齢者になり、認知症を抱える人達が700万以上になると言われる2025年には、介護士の数が…

心理カウンセリング

歳を重ねていくと、いろんな喪失体験に遭遇しますね。仕事を失い、収入源を失い、健康を失い、配偶者や友人を失い、自尊心や誇りを失い、社会参加の機会を失い、将来の夢や希望を失う。孤立したり孤独になる。僕の関わる施設にも少なからず心の病を抱える高…

徳川家康の老境、鷹狩りのこと

徳川家康の晩年、鷹狩りのこと老年期を心豊かに過ごすため、歴史に名を残した偉人たちの老境のこと、また彼らが健康を維持するためにどんな努力をしていたのかなど、いろいろ調べています。織田信長は49歳のとき本能寺で自害し、豊臣秀吉は62歳で病死、そし…

元軍人のキリギスタン抑留

人間、生きるか死ぬかの凄まじい体験をすると、歳を重ねても認知の衰えがないなぁと感じています。 5日前、施設に入所したKさんは大正14年(1925年)生まれで来月93歳になる。耳が少し遠いものの食事、排泄、更衣、歩行などは一切手がかからず記憶力もしっかり…

勝海舟の奥さんのこと

いつもありがとうございます。「記憶から歴史へ」をコンセプトに中・高齢者のライフヒストリー(口述自伝)を作成し後世に遺すという事業を展開する上で、もっとも参考にしている自伝が4冊あります。...それが、勝海舟の「氷川清話」、そのお父さん勝小吉の「夢酔独…

徘徊

高齢者施設のショートステイというのは、日常自宅で親を介護したり見守ったりしている家族が、仕事や冠婚葬祭、旅行などによってそれが出来ない時、介護士や看護士などが関わるホテルとして利用してもらう介護形態のことです。これがレスパイト。 利用者は短…

孔子の老境

確かな事があります。それは誰一人例外なく年を取るということです。その意味で、歴史に名を残した古人たちの老境の生き方に学ぶことは、とても大切なことだなぁと思っています。 儒教の始祖と言えば、孔子ですね。 孔子が弟子たちを連れて放浪の旅に出たの…

宮本武蔵の老年期

偉人たちが老齢期に何を考え、どんな生き方をしてきたのか? 宮本武蔵について、当初僕は剣の道一筋の男と思っていたけれど、実は60歳になって、有名な「五輪書」を執筆し始め、2年後に書き上げています。剣豪でならした武蔵は晩年になってもその衰えない克…

徒然草

昔の偉い人たちは、年齢を重ねてどんなふうに考え生きてきたのか、仕事柄、いろいろ調べてみたので幾つか紹介しますね。 以前、僕が関わる高齢者施設に、国立大学の経済学部の教授で、今は名誉教授というたいへん立派な90歳になる男性が入所してきました。僕…

勝小吉の夢酔独言

勝小吉の夢酔独言 幕末に西郷隆盛と話し合って江戸城を無血で開城させ、江戸の町を戦禍から救ったのが有名な勝海舟ですね。 その海舟のお父さんが勝小吉という人なんですが、小吉は江戸弁丸出しの話し言葉をそのまま書き言葉にした「夢酔独言」という自伝を書…

老いの思想

老いの思想 安西篤子という作家が『老いの思想』という本を書いています。その最後の章で「日本人は老いとどう向きあってきたか」という題名で、民俗学者宮本常一の有名な著書「家郷の訓(おしえ)」のことに触れています。 宮本常一は1907年生まれで山口県出身…

ロバート・バトラーと回想法

昔は、高齢者が昔のことを振り返ることはそれほど評価されませんでした。老年学の研究者たちは、過去に生きることは病的で現実から引きこもることであり、時間の経過と年を取ることへの否認、或いは若い時代への退行と見なしていたのです。発達心理学で有名…

ライフヒストリーとは?

ライフヒストリーのブログです。 皆さまの“人生の歴史”を後世に残しませんか! 〜記憶からライフヒストリーへ〜 “ライフヒストリー良知”とは、 「聞き書き」とは、『語り手の話を聞き、それをその人の「話し言葉」で書いて、 活字にして後世に残すこと』を言…