2019-01-01から1年間の記事一覧

流動性知能と結晶性知能

流動性知能と結晶性知能たくさんの高齢者と接していると、あらゆることにおいて年々衰えていくことがよくわかります。知能もまたそれが顕著に現れてきますね。知能は10代後半にピークを迎え、20代以降は衰退の一途をたどると言われます。だけど、実際これは…

ファミリーヒストリー(家族史)と家伝記

今、NHKで〈ファミリーヒストリー〉という番組が人気を博していますね。月1回、月曜日の19時半から1時間ちょっとの放映で、著名人のの先祖を辿って先祖がどんな仕事や生活をしていたか調べあげるのです。さすがにNHKの取材陣は凄いですね。お金も相当かかっ…

判断の背後の記憶

ものごとを〈判断〉するのに、何らかの基準とか理由が必要ですよね。ではその基準はどこにあるのだろう?その理由はどのように組み立てているのだろうか?そう考えるとき、私たちが日ごろ何気なく行っている〈判断〉の際にも、これまでに経験したり、見聞き…

1926年~2019年の「年表」の作成について

1926年~2019年の「年表」の作成について 一般的に、文章を作成するときには、事前にどんなことを書いていくのかをまとめておく必要があります。おおざっぱな流れをメモ風に記すことが多いのですが、これを怠ると順番がめちゃくちゃになりますね。このメモの…

記憶は発想の宝庫

記憶は発想の宝庫 「何かを創造したり、ものごとを発想するときの心の機能は、〈記憶〉とは相反するものだ。」ということをよく聞きます。「〈記憶〉は過去に縛られているから、創造力や発想力を鍛えるためには〈記憶〉に頼ってはいけない。」とかも。 だけ…

嫌なことは忘れやすい

嫌なことは忘れやすい仕事柄、高齢の人たちと会話する機会が多く、認知症や記憶を失うことへの不安などがよく話題になります。統計的に認知症は、65歳以上が7人にひとり、80歳以上が3人にひとり、90歳以上が2人にひとりになると言われています。実際の介護現…

ど忘れ

ど忘れ記憶の研究をはじめて数年がたつけれど、この間、ものごとや人の名前についてなかなか出てこない場面が多くなってきたなぁと感じています。だけど、そのときはいくら考えても思い出せないのが、あとになってふと思い出したりするのです。 これが、いわ…

記憶痕跡崩壊説

記憶痕跡崩壊説使わない記憶はいつの間にか薄れていきますね。 私は、40年ほど前に韓国の大学を卒業したのですが、そのころ覚えた韓国語が今はあまり使うことがないため、いざ話そうとしてもすぐに単語が出てこない。言葉の断片だけで会話をしてしまう。しば…

信念と記憶力

信念と記憶力欧米先進国では「記憶の専門家」という人たちがたくさんいます。近年脳の機能を解明するいろんな機械や装置が開発されて以来、記憶研究に関する成果がいろいろ世の中に出てきています。日本でも脳神経科学を専攻する大学の先生や学者を中心に飛…

ときどき『自分の過去を振り返る習慣』を身につける

電車や自動車など交通手段の発達によって、現代人の足腰は確実に弱っています。それを補うために、スポーツジムに通ってランニングマシンの上を走ったり歩いたり。何を況や、とても皮肉な光景ですね。ギリシアの哲学者プラトンは、文字の発明に批判的だった…

自伝的記憶

私たちには、幼い頃から現在に至るまで自分というものを作り上げてきた歴史や物語があります。いわゆるライフヒストリー、そしてライフストーリーですね。この歴史や物語を成り立たせているものが、『自伝的記憶』と呼ばれる記憶なのです。何歳の頃にこんな…

過去は変えられるか?

人は誰しも人生を振り返ると、うまくいったことがあったものの後悔することも多く、“過去を変えられたらなぁ”と思うときがありますね。だけど、これまで起きた身の回りの出来事や客観的な事実を起こらなかったことにするーなんてぜ~ぜ~ぜったい不可能です…

アウグスティヌスと記憶

「お客さまの記憶を作り直す。」 これが口述自伝“ライフヒストリー良知”の事業目的のひとつです。心理学者の榎本博明さんは、「記憶の整理術(忘れたい過去を明日に活かす)」という本の中でこう言います。『記憶というのは、単に過去を振り返る心の機能だけで…

AI(人工知能)-「音声認識(声を聞き取るしくみ)」

AI(人工知能)-「音声認識(声を聞き取るしくみ)」口述自伝“ライフヒストリー良知”を完成させるために、AI(人工知能)を使った取り組みを行っています。その際の声を聞き取るしくみについて少しお話しします。AIが人と会話するためには、AIが人の声を聞き取り…

「ブレンンフィットネス」の仮説と検証

私達が、口述自伝“ライフヒストリー良知”の制作事業を推し進める大きな目的が、お客様の脳を鍛え最適化する(これを“ブレインフィットネス”という)ことだとこれまで口を酸っぱくして言ってきました。 昔は、歳を取るにつれて脳の機能はどんどん衰えていくこ…

句読点の考え方

句読点(テンとかマル)は、歴史が浅くいまだに決定的な法則はないですね。だけどだからと言って句読点を適当に使ったらいいということにはならない。「聞き書き技術試論」という未発表の論文を私に託したジャーナリストの故和多田進さんは、著書『ドキュメン…

語順、ハとガ

語順、ハとガ 語順について言えば、象は⇒長い、鼻が⇒長い、①象は鼻が長い、②鼻が象は長い、を例にとると、日本語では、「係りは受けの前に来る」というので①が正しいとされていますね、でも現実には必ずしもそうではない。係りが受けの後でも「話しことば」…

認知症を数値目標に

(ニュースレターNo1)認知症予防に向けて国は昨日、次のように『70歳代の認知症の割合を今後6年で6%減らす目標』を発表しました。★★★ 70代の認知症割合、6年で6%減 政府初の数値目標 政府は16日、70代に占める認知症の人の割合を、2025年まで…

インタビュー(聞く・聴く・訊く)技術、56の心得

私たちが進める口述自伝制作“ライフヒストリー良知”事業において、幾つかの専門的知識と技術と経験が必要とされます。その中でもっとも大切なもののひとつにインタビュー技術があります。私なりにその心得を56に分けて要約してみました。 インタビュー技術、…

発憤して書に著す

司馬遷の話をもう少し。当時匈奴という屈強な異民族と闘うため名将李陵は戦地に赴いた。武運つたなく匈奴の捕虜になったが、匈奴王は李陵の才能を高く評価し、自分の娘を嫁にやるほど厚遇した。 この話を聞いて漢の武帝は激怒し、漢中にいた李陵の妻や子、母…

紀伝体~いかに人に焦点をあてるか!

紀伝体~いかに人に焦点をあてるか! 先日、歴史には「紀伝体」と「編年体」があると言いました。史記を著した司馬遷は、「紀伝体」という手法を開発して後世に多くの歴史を遺しました。 「紀伝体」とは、要するに人物中心の歴史。人に焦点を当てていく。し…

歴史の書き方~紀伝体と編年体

歴史の書き方 遠い昔、中国では歴史の書き方は「編年体」でした。云わば年表ですね。時間軸を中心に年月を時系列に書いていくものです。 それに対して、漢の時代に史記を著した司馬遷は「紀伝体」と言う体系を作り出し、人物の事績を時系列に書きました。こ…

「令和」がなりました。

昨日、新たな年号「令和」が始まりましたね。 当社は現在、ライフヒストリー口述自伝の作成において、お客様の記憶を想起して頂くきっかけとするため、次のように1926年(昭和元年)から2019年(平成31年)の年表を各項目別に作成中で、今後本ホームページに掲載…

歴史の中の自己表現

歴史の中の自己表現 元々人間というものは何かを表現したいという願望を昔から持っていました。フランスアルタミラの最古の壁画には、まったく文字のない時代に人間が描いた牛や動物の絵が残っていますね。原始時代から人は表現の意欲が旺盛だったのでしょう…

人生は、勝ち負けか、損得か、好き嫌いか、善悪か?

人生は、勝ち負けか、損得か、好き嫌いか、善悪か? かつて藤本義一さんという作家がいました。2012年に亡くなられてからもう7年が経ちます。僕たちにとっては『11PM』というテレビ番組で馴染みが深い大阪が生んだ名作家ですね。 藤本さんが生前、『自分史教…

自伝と私小説

自伝と私小説 自伝を制作して後世に遺そうする人は、自分のなかにドラマチックなものがないといけないと思っている人が多いですね。 例えば、兵隊として外地に行ったり、大病を患ったり、会社経営で苦労したことなど、波乱万丈の体験があればあるほど、自伝…

自伝と自分史

自伝と自分史はどうちがうのでしょうか? フランスの自伝学者P・ルジュンヌは、自伝を定義を、『実在の人物が自分自身の存在について書く散文の回顧的物語であり、自分の個人的な生涯、自分の人格の形成の歴史を強調すること。』と言っています。つまり、自…

ライフストーリーの書き換え

ライフストーリー(自己物語)の書き換え 過去を振り返ると、成功した体験、誇らしい出来事、楽しい思い出がある反面、失敗し挫折した体験、恥ずかしい出来事、消していまいたい思い出があったりしますね。 肯定的な意味を持つ過去はいいけれど、否定的な意味…

五木寛之の「回想のすすめ」

作家五木寛之さんは、自身が高齢になって考えたことや行動についていろんな視点で書き著し、何冊か本を出していますね。さすが若かりし頃読んで感動した名作「青春の門」で一世風靡したベストセラー作家、その筆はいささかも衰えることはない。その中に“「回…

ライフヒストリー良知の研究・研鑽項目

ライフヒストリー良知の研究・研鑽項目 ライフヒストリー良知では、これまで培ってきた経験や知識、知見を基に、次の項目について、専門的な立場で研究・研鑽を深めながらそれぞれの項目を有機的に結び付け、より優れた口述自伝の制作に寄与させ、顧客の皆様…